遺言執行とは?弁護士に依頼するメリットは?

1.遺言執行とは

(1)遺言執行とは、遺言の内容を実現する手続きをいい、遺言執行者とはその手続を行う者を指します(1012条1項)。具体的にどのようなことを行うか、みていきましょう。

①遺言の内容を通知する。

遺言で執行者と指定されたとしても辞退することは可能ですが、就任することを承諾し場合には、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければなりません。

②遺言者の財産目録を作成する。

遺言執行者は遺言者の財産を一覧にした財産目録を作成し、相続人に交付しなければなりません。
財産目録を作成するにあたって、不動産登記簿謄本・不動産権利証・預貯金通帳・預貯金残高証明書・保険証券といった関係書類を収集し保管して相続財産を調査します。財産目録には、借金といったマイナスの財産も調査して記載します。

③遺産の分配を実行する

遺言書の内容に沿って、相続人の相続割合や分割の方法等を指定し、実際に遺産を分配します。そのために、財産目録の作成と並行して被相続人や相続人の戸籍謄本を集めて相続人を確定する作業をおこないます。
遺言書の内容を実現するために、不動産の売却や所有権移転登記の申請、有価証券の売却や預貯金の払出し等が必要となることが殆どです。また、相続財産が不法占拠されている場合には、明渡を求めていきます。

④遺贈受遺者へ遺産を引き渡す

相続人以外に財産を遺贈する旨の遺言書であれば、その配分・指定に従って受遺者に遺産を引き渡します。なお、所有権移転登記については、遺言執行者が指定されている場合には、遺贈を受ける人と遺言執行者の2人で共同して登記申請ができます。

2)また、上記①~④以外に、遺言執行者でなければ出来ない手続もあります。

①遺言による認知

遺言による認知(婚姻していない女性との間に生まれた子どもの父親であると認める手続)は、遺言執行者のみが手続できます。遺言執行者は遺言執行者に就職した日から10日以内に認知の届けを役所に提出しなけなければなりません。

②推定相続人の廃除、廃除の取消し

「廃除」とは、被相続人を虐待している、重大な侮辱を行った相続人に対し、被相続人の意思に基づいて当該相続人の相続権を失わせることをいいます。廃除は生前にもできますが、もしも相続人を廃除する旨が遺言書に記載されていた場合には、遺言執行者は、遅滞なく家庭裁判所に対して相続人廃除の申し立て、裁判所の判断を仰ぎます。
また、生前に廃除が認められていた場合に、これを取り消す遺言があった場合には、遺言執行者は同様に遅滞なく家庭裁判所に廃除の取消しを申し立てます。

2.弁護士に依頼するメリット

遺言執行者は必ずしも専門家を指定しなければならないわけではありません。ですが、上述したとおり、遺言執行者の業務は資料の収集や金融機関や証券会社等への調査、目録の作成や遺産の分配等多岐に亘り、出来るだけ速やかかつ確実に遺言の内容を実現しなければなりませんので、非常に手間暇がかかります。また、遺言執行に慣れていないため、手続きに不備が生じることもあります。

弁護士に遺言執行者を選任することで、このような煩雑な業務を全て任せることができ、執行手続も円滑に進んで結果として速やかに遺産を分けることが出来るのです。また、専門家かつ公平な立場から執行を進めることにより、相続人が不信感を抱くことを防ぐことが可能になります。

 

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